手術治療の効果
ソケイヘルニアの再発について
ソケイヘルニアの手術後、同じ部位に再度ソケイヘルニアがおきる場合があります。ソケイヘルニアの再発率は、手術方法により大きく変わりますが、従来法(マーシー法・バッシーニ法)である筋肉の膜を縫い合わせる方法では、再発率が約10%程度と報告されていました。しかし、近年の手術法=人工補強材(メッシュ)を使う方法では、再発率が1%以下といわれています。再発時期は、術後1~2年後が多いといわれており、術後何年も経過してから再発する場合がマレにあります。
症状は、手術前と同じようにソケイ部に膨らみがみられ、痛みのみが症状の場合もあります。また、再発の際でも、嵌頓(かんとん)することがあります。ソケイヘルニアの手術をする前と同じような症状に気づいた場合は、早めに病院に受診してください。
手術をした反対側の場所にソケイヘルニアが出る場合もあります。但し、これは再発ではないのですが、ソケイ部の筋肉の膜が弱る病気のため、片方がソケイヘルニアになった方は、反対側もなりやすいと考えられます。10%程度の方が、反対側もソケイヘルニアになるといわれています。
再発を防ぐために
ソケイヘルニアの再発は、行った手術が大きく関係しますが、再発原因をできるだけ避けることも大切です。
お腹に力がかかり、腹圧が高くなることにより起こりやすくなるといわれているので、日常生活では、腹圧が高くなることを避けるなど、例えば、重いものを持つのを避ける、立ったままの状態を少なくする、などが大切です。
他に、肥満も原因の一つとされていますので、減量すること、便秘を改善する、前立腺肥大の治療、咳やくしゃみをするときにハンカチなどで抑えるなどのでも、ソケイヘルニアの原因を少しでも取り除くことが有効です。
また、腹筋体操などの筋肉強化のトレーニングを行う人がいますが、やはり腹圧をあげることとなり、再発防止には効果はありません。
再発予防は、年齢、体力、生活スタイル等により違いますので、担当医に相談されることをお勧めします。