従来の手術法 断裂している筋層を縫って塞ぐ方法
マーシー法・バッシーニ法ヘルニアが飛び出してくる穴を縫って塞ぎます。メッシュのような人工物を使わないことが最大の特徴です。
女性は完全に閉鎖することが可能ですが、男性は精索があるため、完全に閉鎖することはできません。
大きな穴を無理して閉じたり、弱い筋肉を縫い合わせると、おなかに力を入れたときに縫い合わせた部分が裂けて再発の原因となります。
そのため、飛び出してくる穴が小さくて、周りの筋肉(バケツの底)も比較的丈夫な間接型ヘルニアのみに適応となります。
特に若い女性(出産予定のある女性)の場合、筋肉は丈夫で飛び出す穴が小さいことが多いので、この方法で1~2cmの傷で手術をすることが可能です。
若い男性も対象になることがあります。
通常2週間程度は運動や持続的に腹圧のかかる動作は控えてもらいます。
これらの方法は縫い合わせた部分に術後の強い痛みや、つっぱりの部分が裂け、再発することがしばしばみられます。術後の2~3日は安静が必要となり、5~7日の入院の可能性があります。
- 1.自分の組織を用いて行われる手術は一般にヘルニアの出てくる穴を直接縫い合わせる直接縫合法という方法が用いられます。
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- 2.また、縫い合わせた部位に強い力がかかりそうな場合は縫いしろを広く取り二重に重ね合わせて縫合する方法が用いられます。
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- 3.離れた部分の筋肉の一部を切って筋肉同士が寄りやすい状態として縫合する方法など工夫された方法もあります
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従来法のメリットとデメリット
メリット
- 人工補強材(メッシュ)を用いない
デメリット
- 術後の痛みやつる感じが多い
- 術後の安静期間が長い→入院期間が長くなる
- 再発率が高い(2~16%)