鼠径ヘルニア手術後の痛み|人工補強材の違和感|長期間は注意
ソケイヘルニアの治療について

ソケイヘルニア手術後の痛みについて

ソケイヘルニア手術後の痛みについて

手術後数日間、ある程度の痛みがありますが、のたうち回るほどの痛みや苦しさがあるという方は、少なくなりました。近年では鎮痛薬も種類が増え、効果も高くなりました。

ソケイヘルニアの術後診察で問題となるのは、手術後、何ヶ月も過ぎているにもかかわらず、痛みや違和感がおさまらないなど、日常生活に支障がある状態です。ハッキリとした原因わかっていませんが、ソケイ部神経の障害や、メッシュの異物感ではないかともいわれています。

発症頻度 メッシュを使わない手術の方が太ももの付け根につっぱる感じが出やすいようです。
メッシュを使用した手術の場合は、古いタイプのプラグの場合に起きやすいようです。メッシュ使用の手術で0.2~0.5%程度
発症する時期の目安 手術後6ヶ月以降も継続
対策 軽症の場合は鎮痛薬の服用をしばらく続け、自然に痛みが治まるのを待ちます。
痛みが治まらない場合は、麻酔科医師による神経ブロック注射を行うときもあります。メッシュの摘出などの再手術も考えられますが、リスクが高いため、医師とよく相談したうえで治療法を選択されることをお勧めします。

手術で入れたメッシュの違和感・痛み

ソケイヘルニアの手術後、数か月経過しても違和感や痛みの症状が治まらない場合、ソケイヘルニアの手術後数年経過してから違和感や痛みの症状が出現した場合など、手術で入れたメッシュが原因となることがあります。その場合、再手術を検討することがあります。

例えば、痛みの程度が強くかつ持続的である(仕事に集中できない、痛みで眠れない、など)といった日常生活に問題が起きるような場合です。時折感じる違和感や痛みは、「古傷が痛む」といったようなことが多いので、しばらく様子をみられてもさしつかえない状態でしょう。

痛みの症状が強く持続的であっても、すぐに手術というわけではありません。まずは病院に受診し鎮痛薬を定時で内服するなどで、症状をみます。但し、それでも継続的に強い痛みなどの症状がある場合、神経ブロックや再手術などの治療を考慮します。

また、再手術がリスク高く、前の手術で入れたメッシュは、血管や精索などの内臓組織に貼りついていますので、メッシュと組織を剥がすことが難しい場合があります。また、メッシュを摘出することによる再発の可能性も考える必要があります。別の新しいメッシュを使うことも考えられますが、新しいメッシュが、別の痛みにつながる恐れもあります。

ソケイヘルニア手術後合併症としてはマレな病態です。まずは、多くの経験をつんだ専門医とよく相談することが先決です。